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キサゲとヘラ

200801/19

久し振りに工具のお話です。

左がキサゲ、右がヘラと呼ばれる工具です。
どちらも主に最終仕上げで使われることの多い工具です。

キサゲの方は地金を削る工具です。
削ると言うと鋭い刃が付いてそうですが、90度くらいの鈍角の刃を付けるのが一般的で、地金を削り取るというより一皮向くといった感じでしょうか。
大工道具のかんなをイメージしてもらうと良いでしょう。
面に地金のキズを取る事ができ、その際しっかりした平面を維持できます。

ヘラの方は地金に押し当てる事で、地金を伸ばして小さな傷を埋めることができます。
そうすることでピカピカの鏡面に仕上がります。
また、石留めの時にも使用したりもします。

どちらも古くから使われてきた仕上げの宝飾技法で、ヤスリ→キサゲ→ヘラの順で仕上げられてきました。
しかし、最近はリューターやバフといった電動回転工具が普及していますので、キサゲとヘラで仕上げられた物を見かけることは少なくなってきています。
私などはお客様のお手持ちの物などでたまに拝見することがありますが、電動工具で仕上げたものとは、一味違う持ち味があります。
デザインの輪郭の線が強調されて締りのある仕上がりが感じられますね。
一見の価値ありです。

ちょっと専門的なお話でした…。